から食:クロレラの特徴や効果は何だろう。
クロレラは、微細な淡水藻の一種で、健康との関わりが古くから調べられてきた食品です。以下に、クロレラの良いところとして語られていることを、研究の報告と合わせて調べてまとめてみました。なお、クロレラは食品ですので、ここに挙げたものは病気の治療や予防を約束するものではありません。
「栄養価の高さ」と「たんぱく質の質」
クロレラは栄養価が高く、タンパク質、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸、食物繊維など、多くの栄養素を含んでいます。特に、同じ重さで比べたときのタンパク質の含有量は肉や大豆より多く、食事を補うのに役立ちます。
人間の身体は約60%が水、約20%がたんぱく質で構成されています。ですので、体重60kgのヒトだと約12kgがたんぱく質です。
そして、このたんぱく質は20種類のアミノ酸が使用され、皮膚のコラーゲンや筋肉、赤血球などの細胞に使われていて、体の重要な組織を構成しています。
しかし、この20種類のアミノ酸のうち、9種類は人間の身体内で生成することができないため、食事などから摂取する必要があります。
たんぱく質は、肉や魚などの動物性食品から摂れる「動物性たんぱく質」と、大豆などの植物性食品から摂れる「植物性たんぱく質」の2種類があります。
クロレラは「植物性たんぱく質」です。基本的には「動物性たんぱく質」の栄養価が高いことが知られていますが、動物性食品は脂質が多い場合がありますので、食べすぎると脂肪過多になる可能性があります。そのため、クロレラや大豆などの植物性食品からたんぱく質を摂ることも良いと考えられています。
そして、これら「たんぱく質」はアミノ酸で構成されていますが、体内で生成できないアミノ酸が「必須アミノ酸」で、これらの9種類の「必須アミノ酸」と11種類の「非必須アミノ酸(可欠アミノ酸)」をバランスよく摂取する必要があります。
| 必須アミノ酸 9種類 | 非必須アミノ酸(可欠アミノ酸) 11種類 |
|---|---|
| バリン | グリシン |
| ロイシン | セリン |
| イソロイシン | アラニン |
| リジン | アスパラギン |
| スレオニン | アスパラギン酸 |
| ヒスチジン | グルタミン |
| トリプトファン | グルタミン酸 |
| フェニルアラニン | アルギニン |
| メチオニン | システイン |
| チロシン | |
| プロリン |
なぜなら、タンパク質は最も少ないアミノ酸に合わせて作られるため、合成効率が低下してしまうだけでなく、2022年7月に理化学研究所の研究により、非必須アミノ酸(可欠アミノ酸)のチロシンの体内量が体全体の栄養状態を把握していることがわかりました。
そのため、特定のアミノ酸の摂取ではなく、アミノ酸を食事からバランスよくとることが、健康を保つのに大変重要です。
クロレラの約60%はたんぱく質で、アミノ酸スコアが100という、全アミノ酸をバランスよく含む質の良いたんぱく質です。
そして、特徴成分としては目の健康との関わりが知られるルテインが多く含まれていることが挙げられます。また、たんぱく質のもとになるアミノ酸やビタミンB群は、体のなかで神経伝達物質がつくられるときにも使われる栄養素です。
日々の食事にクロレラを追加することで、栄養バランスの質が向上し、健康に役に立つかもしれません。
免疫との関わり
クロレラと免疫の関わりは、古くから研究されてきたテーマです。免疫細胞の働きや、免疫のバランスとの関わりを調べた報告があります。
人を対象にした研究では、口の中や腸などの粘膜から分泌されるSIgAという成分が増えたという報告があります。ただし、人数の限られた研究ですので、誰にでも同じことが起きると読むものではありません。
激しい運動で免疫の働きが乱れることが知られているので、クロレラが役に立つかもしれません。
クロロフィルと食物繊維
クロレラにはクロロフィルや食物繊維が多く含まれています。これらと体内の有害物質や重金属との関わりを調べた研究はありますが、人で確かめられたといえる段階ではありません。「デトックス」という言葉で語られることが多い部分ですが、そこは差し引いて読むのがよいと考えます。
液体のクロロフィルが流行していますが、天然ではなく化学的な処理をされたクロロフィルのようです。
天然のクロロフィルであればクロレラがおすすめです。クレイと組み合わせると良いとの情報も見かけますが、確かめられた話ではありませんので、そのつもりで受け止めてください。
お通じと腸内環境
クロレラは食物繊維を含みますので、腸内環境との関わりが調べられています。腸内細菌のバランスや、お通じの回数を調べた報告があります。
研究では、クロレラを摂取することで腸内細菌から作られるプロピオン酸が増えたと報告されています。プロピオン酸は筋肉などのエネルギー源にもなります。
くわしくは下記の記事で紹介しています。
エネルギーをつくる栄養素を含みます
クロレラは、体のなかでエネルギーをつくるときに使われるビタミンB1やB6などの栄養素を含みます。これらが不足すると、エネルギーをつくる流れがうまく回らなくなります。
例えば、ビタミンB1やB6を含む代表的な食材は豚肉です。そのため、疲れたときの食事として豚肉がよく挙げられます。
しかし、豚肉は調理の手間があるので、手軽にビタミン類を摂取できるクロレラもひとつの選択肢だと考えます。
研究では、クロレラの摂取で最大酸素摂取量が増えたという報告もあります。こちらも人数の限られた研究ですが、アスリートの方が気にかける食材の一つになっているのはこのあたりが理由かもしれません。
美容と肌
クロレラには抗酸化の働きが知られるビタミンEやカロテン、ルテインなどが含まれています。体のなかで酸化が進むことと肌の老化との関わりは、広く研究されているテーマです。
クロレラエキスについては、肌のしわとの関わりを調べた研究が報告されています。
そのため、クロレラエキスは化粧品の原料としても販売されています。
赤血球をつくる栄養素を含みます
クロレラは鉄を多く含んでいます。鉄は赤血球の材料になり、体のすみずみへ酸素を運ぶ働きに関わる栄養素です。
また、赤血球は鉄以外にもビタミンB12や葉酸、亜鉛、たんぱく質で作られています。クロレラはこれら栄養素を含んでいますので、食事のなかで材料をそろえる助けにはなると考えます。
ただし、貧血には原因がいろいろあり、食品で対応するものではありません。健康診断で指摘された方や、立ちくらみなどが気になる方は、まず医療機関で原因を調べてください。
読むときに気をつけたいこと
以上が、クロレラの良いところとして語られていることです。並べてみると分かるとおり、多くは「研究で調べられている」という段階の話です。クロレラは一般の食品で、機能性表示食品でも特定保健用食品でもありませんので、効き目を表示できる食品ではありません。
個々の結果には個人差がありますし、クロレラを摂取する際には適切な摂取量や注意点を守ることが重要です。クロレラはビタミンKを多く含みますので、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる方は特にご注意ください。通院中の方や薬を飲んでいる方、妊娠中の方は、かかりつけの医師や薬剤師にご相談のうえでお試しください。
あなたのからだにいい「食事」を考える情報となりますように。