から食:水溶性ビタミンを考える

からだにいい『もの』

ビタミンは油に溶ける性質の脂溶性ビタミンが4種類(A、D、E、K)、水に溶ける性質の水溶性ビタミンが9種類(ビタミンC、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)あります。

今回は水溶性ビタミンについて考えたいと思います。

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水溶性ビタミンって?

水溶性ビタミンは抗酸化ビタミンとして知られるビタミンCや糖質代謝、脂質代謝、アミノ酸代謝で各種酵素反応をサポートする働き(補酵素)のビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)の総称です。ですので、特定のビタミンを指しているのではありません。

ビタミンB群は体内で補酵素として働くので幅広い作用を示すことが知られています。

例えば、埼玉県坂戸市の坂戸市葉酸プロジェクトで有名な葉酸は胎児の二分脊椎症の発症リスク低減や循環器疾患の予防などへの有益性が知られています。

この有益性を示す理由の一つには、葉酸は遺伝子を作り出す経路で補酵素として働き、遺伝子は細胞の活動の基本となるためと考えられています。

水溶性ビタミンと欠乏・不足

例えば、ビタミンB1が欠乏すると脚気は良く知られていますが、他にはエネルギーを作り出す際に補酵素として働く大変重要な栄養素で、消費エネルギーが増えると必要量が増えることが知られています。

そのため、ビタミンB1が不足するとエネルギーを作りにくくなるため、疲れやすくなったりします。ですので、ビタミンB1が不足しないように消費エネルギーに合わせて食事量を増やすなどの工夫が必要です。

参考に水溶性ビタミンの欠乏・不足で起こる症状を紹介します。

  • ビタミンC

壊血病

  • ビタミンB1

神経炎や脳組織への障害、脚気、とウェルニッケ─コルサコフ症候群 など

  • ビタミンB2

口内炎、口角炎 など

  • ナイアシン

ペラグラ など

  • ビタミンB6

舌炎、うつ病、痙攣 など

  • ビタミンB12

巨赤芽球性貧血、末梢神経障害 など

  • 葉酸

胎児の二分脊椎症、巨赤芽球性貧血、動脈硬化発症リスク成分であるホモシステインの増加 など

  • パントテン酸(様々な食材に含まれるため通常は起こらない)

頭痛、疲労、不眠、胃不快感 など

  • ビオチン

リウマチ、皮膚の乾燥、食欲不振、むかつき、性感異常、吐き気、憂うつ感 など

しかし、バランスの良い食事をしている限り、水溶性ビタミンの欠乏は気にする必要はないようです。

水溶性ビタミンと食品

日本の一般的な食事ではビタミンB群の生体利用率は70%程度で動物性食品では100%、植物性食品では50%との研究報告があります。

しかし、ビタミンB群は食品中でタンパク質と結合している状態で存在していることが多く、食材の調理方法や体調による消化の状態で生体利用率が変化します。

そのため、食材としてビタミンB群を多く含んでいても全てが吸収・体内で利用できるわけではありません


あなたのからだにいい「食事」を考える情報となりますように。

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